体質改善プログラムは、漢方の考え方に基づいてあなたの不調から、その特徴や傾向を知るものです。不調が続くようであれば、個別に漢方相談をしてもらうことをおすすめします。多くの不調は間違った身体の使い方や生活習慣からきているので、漢方薬を飲みながら生活指導も受けられます。
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漢方・漢方薬の薬日本堂 > 不調でお悩みの方へ > 不眠に対して漢方でできる体質改善とは
健全な睡眠には、休むための栄養である「血」とエネルギーの「気」が必要です。「気」「血」が不足すると、疲れているのに眠れません。またストレスなどで「気」の巡りが悪いと、目がさえて眠れないなどの不調が起こります。
睡眠は心身の疲れをとってくれる大切なもの。「なかなか寝つけない」「夢が多くぐっすり眠れない」「夜中や早朝に目が覚めてしまう」などが続く状態を不眠といいます。
不眠の原因はさまざまで、過労や加齢、虚弱体質、出産や慢性病による消耗、飲食の偏り、怒りや考えすぎなどが考えられます。
十分な睡眠が確保できないと、「朝目覚めた時から身体がだるい」「日中も眠くてたまらない」「一日中ぼーっとして集中できない」など、生活に支障をきたしてしまいます。
健康的な眠りを得るためには、日中の活動による適度な疲れと夕方以降のリラックスした状態が必要です。寝る直前までスマホを使っていても神経は休まりません。
不眠の原因の多くは生活習慣に潜んでいます。
お仕事の関係で昼夜が逆転している、睡眠時間の確保が難しい、夜中に目や脳を使う作業をするなどは、気血を消耗して「眠いのに眠れない」「夢が多く熟睡できない」などの状態を引き起こします。
脂っこいものや甘いものの摂り過ぎ、運動不足などは、高血圧や糖尿病など生活習慣病の原因ですが、不眠の原因にもなるので注意が必要です。
タバコやアルコール、カフェインの摂り過ぎ、大きな音や強い光の刺激が夜間まで続く、眠る直前までスマホを操作するなどは、交感神経を高ぶらせて眠りのスイッチとなる副交感神経の働きを鈍らせるため、「目がさえて眠れない」などの症状につながります。
日中に緊張する場面が多い、忙しくてイライラすることが多い、リラックスできる時間がない、心配事が多く細かなことが気になってしまうなど、精神的な偏りも不眠の原因になります。
不安神経症や統合失調症などの精神疾患でも不眠を伴うことが多くあります。
漢方では症状を「身体からの声(SOS)」としてとらえ、根本から原因を考えることで、睡眠に必要な「気・血」を補い、緊張や不安をゆるめて自然な眠りにいざないます。
睡眠導入剤のような即効性はありませんが、生活に潜む不眠の原因を探り、不眠に伴う様々な不調も改善できるのが特徴です。
漢方薬はその声や体質に応じて約200種類から選定していきます。
また、不眠の原因は生活習慣も関係しています。生活習慣を見直すことで、改善への近道になります。
まずは自分の症状タイプを知り、それに合わせた生活習慣を取り入れていきましょう。
まずは、ご自身のタイプを知り、そのタイプに合ったお勧めの生活方法を取り入れることから始めましょう。
漢方薬は専門家の指導の上での服用をお勧めします。
このタイプは過労や加齢、目や脳の酷使によって眠りに必要な血を消耗しています。夜ふかしの傾向があり、視力低下や動悸などが起こりやすく、夢が多くぐっすり眠れないのが特徴です。
※漢方薬はあくまでも一例です。症状や体質によって漢方薬は
変わりますので、まずは専門家に御相談ください。
※画像はイメージです。
心
仕事や家庭のことなど、考えすぎは血を消耗します。何も考えない時間を作るように心がけましょう。
食
レバーや赤みの肉、クコの実など赤色食材と、黒豆や黒ごまなど黒色食材を積極的に摂りましょう。
動
過度な運動は控えて、夕方以降はゆったり過ごすようにしましょう。汗のかきすぎには要注意です。
休
就寝の一時間前にはスマホなどを見るのはやめて、目を休めるようにしましょう。
耳の後ろ、下に向かってとがっている骨から指幅1本下。
心身をリラックスさせ、自然な入眠を促します。不眠や過労などによいとされています。
夜の過ごし方を意識して、目と脳をしっかり休めましょう。
このタイプは緊張や興奮、イライラした怒りなどが熱となって頭部にたまり、目がさえて眠れなくなってなっています。目の充血や舌が赤いなどの症状がみられます。
※漢方薬はあくまでも一例です。症状や体質によって漢方薬は
変わりますので、まずは専門家に御相談ください。
※画像はイメージです。
心
深く息を吐いて呼吸を落ち着かせましょう。好きな香りのハーブやアロマでリラックスしましょう。
食
セロリや春菊、三つ葉など香りのある野菜や、みかんやゆずなど柑橘類を積極的に摂りましょう。
動
ストレッチなどで緊張によるこりをほぐしましょう。特に肩や腕、脇などを伸ばすのがおすすめ。
休
散歩や森林浴など環境をかえてゆっくりすることが大切です。気分をリフレッシュさせましょう。
手首の内側のしわの小指側、小さな丸い骨の真下にある小さなくぼみ。
精神を安定させ、ストレスやイライラを解消するはたらきがあります。
肩の力を抜いて深呼吸をするように心がけましょう。
このタイプは虚弱体質や慢性疾患などで胃腸が弱り、消化吸収の機能が悪いために気血が作れず眠りを維持できません。食欲不振や軟便傾向が特徴です。
※漢方薬はあくまでも一例です。症状や体質によって漢方薬は
変わりますので、まずは専門家に御相談ください。
※画像はイメージです。
心
小さなことにも気を配り、考えすぎてしまう傾向があります。目を閉じ、耳をふさいで気持ちを休めましょう。
食
生ものや冷たいものは控えめに、お粥や野菜と芋・豆のスープなど消化しやすい形で食べましょう。
動
無理な運動は控えて、ゆっくり散歩するなどして身体を動かしましょう。
休
無理は禁物。「眠れない」と焦らずに、身体を横にして休める時間を作りましょう。
足の裏、かかとの中央。
気を鎮める効果があるため、精神的なストレスによる不眠によいとされています。
小さなことにこだわらず、気持ちをおおらかにもつよう心がけましょう。
30代 女性 K様 相談員:A・T
普段はあまりストレスを溜め込まず、ご自身でポジティブだと思って過ごされていたK様は、夜眠れないくらいの脈打ちや、日常の胸の圧迫感に見舞われ、切実な気持ちでご相談を申し込まれました。
今までは大病もなく生活していたので、突然の体調不良が治らないことで驚かれていました。
ただ、原因はこれかな?と思うこともあったようです。普段は派遣社員としてフルタイムで働いていらっしゃいましたが、それに加えて1年前から別の仕事も引き受けておられました。
コロナ禍ということもあり、あまり遠出もできず、その中で朝から夜まで、また土日も作業をするような日が続いていらっしゃいました。仕事自体は大好きだったようですが、仕事のプレッシャーなどもプラスされ、知らず知らずのうちに色々ストレスを溜め込んでいたのかも…と。カウンセリングがご自身を見つめなおす機会になったようです。
オンラインでのご相談でしたが、細かく体調を伺ったうえで漢方薬を提案させていただきました。すぐに服用を始めたところ、翌朝からなんとなく良い感じがあったということです。
漢方をスタートするにあたり、職場の方の理解も得られた中で仕事量をセーブされたり、ご自宅でも運動を取り入れたりと、ご自身の生活改善も努力もされています。それもあり、漢方薬の服用を開始されてから体感を感じるまでが早かったのだと思います。
今では続けて服用され、調子のよい状態が続いています。大好きなお仕事を継続できるよう、これからもサポートさせていただきます。
漢方相談では、カウンセリングを通してお客様一人ひとりの症状や体質を確認しながら、それに合う漢方薬のご提案や、体質の根本的な改善のための生活アドバイスを行っています。快適に毎日を過ごすために、漢方相談をぜひご活用ください。
薬日本堂株式会社(くすりにほんどう)
1969年創業の漢方専門店。一人ひとりの体質や悩みに合わせて健康・美容をトータルにアドバイスする「ニホンドウ漢方ブティック」「カガエ カンポウ ブティック」「薬日本堂」を全国に展開。その他、ニホンドウ漢方ミュージアム(東京・青山)、薬日本堂漢方スクール、出版・監修、他業種とのコラボレーションなど、漢方・養生を軸とした幅広い事業展開を行っています。 (事業内容はこちら)