NIHONDO 薬日本堂株式会社

漢方・漢方薬の薬日本堂不調でお悩みの方へ > 漢方で胃腸の調子を整えよう。症状別におすすめの漢方も紹介

公開日: 2017年08月23日
更新日: 2024年03月27日

漢方で胃腸の調子を整えよう。症状別におすすめの漢方も紹介

胃腸の不調

胃腸による消化吸収の働きは、「気」が充実し、スムーズに巡ることで機能します。「気」の不足や滞りがあると胃腸の動きが鈍り、食欲不振や胃痛・腹痛などの原因となります。

胃腸の不調とは

胃腸は身体の中央にあり、口から食道、胃腸を通って肛門に至る消化管の一部です。消化管のぜん動運動(収縮しながら波のように内容物を送る運動)によって、飲食したものを送りながら消化し、栄養として吸収します。
胃は内部が粘膜で保護されており、胃液を分泌して食べ物を消化し、吸収しやすい状態に整えて次に送ります。続く腸ではさらに消化が進み、栄養や水分が吸収され、不要なものは大便として排泄されます。

胃は偏った飲食やストレスの影響を受けると、張りや痛み、吐き気などを生じます。腸も同様で、ストレスや疲れなどが腸のぜん動運動に異常をきたすと、下痢や便秘、腹痛といった症状が現れます。
漢方では「気」が不足すると消化吸収の力が弱り、食欲不振や消化不良を起こすと考えます。また胃腸は湿度の高い環境が苦手で、特に梅雨時期は胃腸障害が起こりやすいので注意が必要です。

胃腸が不調になる原因

胃腸の不調を引き起こす原因にはさまざまなものがあります。
一番大きいのは飲食物の影響です。単純な食べ過ぎはもちろんのこと、冷たいものや辛いものなど、特定のものを過食しても負担になります。不規則な生活やストレス、過労、虚弱体質なども胃腸の動きを鈍らせる要因となります。詳しくみていきましょう。

暴飲暴食

飲みすぎ、食べすぎは胃腸にとって大きな負担となります。
通常、食べ物は2〜3時間程度胃に留まり、消化されますが、脂っこいものや糖分の高い食べ物は完全に消化するまでに5〜6時間程度要します。
その結果、消化が不十分なまま胃と小腸を繋ぐ十二指腸に食べ物が送られ、渋滞を起こすために胃の張りや痛み、げっぷや吐き気などが生じます。特に脂っこいものやアルコール、香辛料などが多すぎると胃に熱を生じるため、胸やけや口内炎などの原因にもなります。
食べる量が多いだけでなく、よく噛まずに急いで食べる、消化しづらいものを食べるなども、胃腸の負担になるので注意しましょう。

ストレス

不規則な生活、寒暖差、過剰な心労や緊張などは、ストレスとして自律神経のバランスを乱します。すると、胃液の分泌量が調整できず胃酸過多になり、胃の張りや痛みを生じます。さらに、胃の内部を守る粘液が減少するため、胃の粘膜に炎症が起こり、痛みや胸やけを伴うようになります。
また、ストレスによる自律神経の乱れは、腸の動きにも影響を与えます。排便を促す蠕動運動の機能が低下したり、過剰になることで、便秘や下痢といった症状が引き起こされます。
漢方では「気」の流れが滞っていると考えすため、みぞおちのつかえや胃の張り、脇のしめつけなどが生じ、便秘と下痢が交互にみられます。

冷たいものの摂り過ぎ

冷たい飲み物や水分の多い果物、身体を冷やす食べ物(夏野菜や豆腐など)を過剰摂取すると、胃腸が冷えて動きが鈍り不調を生じます。
胃が冷えるとシクシク痛み、よだれが多くなります。腸が冷えると水分吸収がうまく機能しなくなり、腸がゴロゴロ鳴る、腹痛、軟便や下痢、むくみなどの症状が現れます。
暑い夏は汗をかくため、水分を多く摂る必要がありますが、一度にたくさんの水分を飲むことも胃腸の負担になります。少量ずつこまめに飲むことを意識しましょう。

疲労や虚弱

もともと胃腸が虚弱で小さい頃から少食傾向であったり、疲労が大病が重なると、普段から食欲がわかない、食後にすぐに腹部の張りがみられ眠くなる、胃下垂傾向などの症状がみられます。消化する力も弱っているため、軟便・下痢傾向で、普段から疲れやすいのが特徴です。

漢方で体質改善して胃腸の不調に備える

漢方では症状を「身体からの声(SOS)」としてとらえ、根本から原因を考えます。
胃腸の不調は「気」「血」の生成を妨げるため、胃腸の症状だけでなく、疲労倦怠感やむくみなどにも繋がります。

漢方薬はその声や体質に応じて約200種類から選定していきます。
また、胃腸が不調である原因は生活習慣も関係しています。生活習慣を見直すことで、改善への近道になります。
まずは自分の症状タイプを知り、それに合わせた生活習慣を取り入れましょう。

あなたの胃腸 タイプ別チェック

まずは、ご自身のタイプを知り、そのタイプに合ったお勧めの生活方法を取り入れることから始めましょう。
漢方薬は専門家の指導の上での服用をお勧めします。

当てはまる症状にチェックを入れてください。

上記内容でチェックする

あなたのタイプは…虚弱タイプ

もともと胃腸が虚弱だったり、過労や心労で胃腸の動きがにぶっている状態。
エネルギーと栄養が不足して疲れやすいのが特徴です。

おすすめの漢方薬

六君子湯(リックンシトウ)
胃腸を強化し元気を補ってくれます。

※漢方薬はあくまでも一例です。症状や体質によって漢方薬は
変わりますので、まずは専門家に御相談ください。
※画像はイメージです。

おすすめの食材

元気を補う食材食材

山芋、大豆、人参、椎茸、きゃべつ、
雑穀、かぼちゃ、鶏肉、えび

バランスを崩さないように日頃の生活から気をつけましょう
生活養生

胃腸の負担を軽くするために、消化しやすいものを食べること、しっかり噛むことを意識しましょう。

質のよい食事習慣

食事時間の乱れと早食いは胃腸に大きな負担をかけて代謝をさげてしまいます。なるべく規則正しい食事時間を心がけ、添加物の少ない食品をしっかり噛んで食べましょう。

梅醤番茶

梅肉は昔から食欲不振や吐き気などに用いられてきました。殺菌作用もある梅肉は胃腸の調子を整えてくれます。つぶした梅干しと生姜のしぼり汁、醤油少々に熱い番茶を注いだ梅醤番茶は、冷えにもよく手軽なのでおすすめです。

ツボ・マッサージ

「中脘(ちゅうかん)」はみぞおちとおへそを結ぶ中間あたりにあります。弱った胃腸を元気にするので、冷えた時にはお灸やカイロなどで温めるのもよいでしょう。

あなたのタイプは…冷えタイプ

もともとの冷え性や、冷たいもの・生ものなどのとり過ぎなどで胃腸が冷えている状態。温めると楽になるのが特徴です。

おすすめの漢方薬

安中散(アンチュウサン)
お腹を温めて痛みなどを
解消してくれます。

※漢方薬はあくまでも一例です。症状や体質によって漢方薬は
変わりますので、まずは専門家に御相談ください。
※画像はイメージです。

おすすめの食材

温める食材

生姜、ねぎ、にんにく、にら、
シナモン、しそ、山椒、黒糖

バランスを崩さないように日頃の生活から気をつけましょう
生活養生

冷たいものや生もののとり過ぎに注意しましょう。腹巻などで温めるのも有効です。

質のよい食事習慣

食事時間の乱れと早食いは胃腸に大きな負担をかけて代謝をさげてしまいます。なるべく規則正しい食事時間を心がけ、添加物の少ない食品をしっかり噛んで食べましょう。

梅醤番茶

梅肉は昔から食欲不振や吐き気などに用いられてきました。殺菌作用もある梅肉は胃腸の調子を整えてくれます。つぶした梅干しと生姜のしぼり汁、醤油少々に熱い番茶を注いだ梅醤番茶は、冷えにもよく手軽なのでおすすめです。

ツボ・マッサージ

「中脘(ちゅうかん)」はみぞおちとおへそを結ぶ中間あたりにあります。弱った胃腸を元気にするので、冷えた時にはお灸やカイロなどで温めるのもよいでしょう。

あなたのタイプは…ストレスタイプ

生活リズムの乱れやストレスなどで、胃腸の正常なリズムが乱れて消化機能が低下している状態。お腹が張りやすいのが特徴です。

おすすめの漢方薬

加味逍遙散(カミショウヨウサン)
気のめぐりをよくして
本来のリズムに戻します。

※漢方薬はあくまでも一例です。症状や体質によって漢方薬は
変わりますので、まずは専門家に御相談ください。
※画像はイメージです。

おすすめの食材

気をめぐさせる食材

香味野菜(セロリ、春菊、三つ葉)、
ミント、陳皮、柑橘類、ハーブ

バランスを崩さないように日頃の生活から気をつけましょう
生活養生

頑張り過ぎずに、ストレス解消、気分転換をこころがけましょう。香りは気をめぐらせます。

質のよい食事習慣

食事時間の乱れと早食いは胃腸に大きな負担をかけて代謝をさげてしまいます。なるべく規則正しい食事時間を心がけ、添加物の少ない食品をしっかり噛んで食べましょう。

梅醤番茶

梅肉は昔から食欲不振や吐き気などに用いられてきました。殺菌作用もある梅肉は胃腸の調子を整えてくれます。つぶした梅干しと生姜のしぼり汁、醤油少々に熱い番茶を注いだ梅醤番茶は、冷えにもよく手軽なのでおすすめです。

ツボ・マッサージ

「中脘(ちゅうかん)」はみぞおちとおへそを結ぶ中間あたりにあります。弱った胃腸を元気にするので、冷えた時にはお灸やカイロなどで温めるのもよいでしょう。

あなたのタイプは…食べすぎタイプ

暴飲暴食や消化しづらいものを食べて胃腸につまりがある状態。飲食物がたまり、吐き気や口臭、口内炎など上がってくるのが特徴です。

おすすめの漢方薬

半夏瀉心湯(ハンゲシャシントウ)
たまった熱を冷ましてつまりを解消します。

※漢方薬はあくまでも一例です。症状や体質によって漢方薬は
変わりますので、まずは専門家に御相談ください。
※画像はイメージです。

おすすめの食材

腎を補い消化を助ける食材

大根、玉ねぎ、さんざし、陳皮、梅、
酢、なす、とまと、とうふ、どくだみ

バランスを崩さないように日頃の生活から気をつけましょう
生活養生

油っぽいもの、甘いもののとり過ぎ、暴飲暴食に注意しましょう。品数を増やすと少量ずつでも満足できます。

質のよい食事習慣

食事時間の乱れと早食いは胃腸に大きな負担をかけて代謝をさげてしまいます。なるべく規則正しい食事時間を心がけ、添加物の少ない食品をしっかり噛んで食べましょう。

梅醤番茶

梅肉は昔から食欲不振や吐き気などに用いられてきました。殺菌作用もある梅肉は胃腸の調子を整えてくれます。つぶした梅干しと生姜のしぼり汁、醤油少々に熱い番茶を注いだ梅醤番茶は、冷えにもよく手軽なのでおすすめです。

ツボ・マッサージ

「中脘(ちゅうかん)」はみぞおちとおへそを結ぶ中間あたりにあります。弱った胃腸を元気にするので、冷えた時にはお灸やカイロなどで温めるのもよいでしょう。

よくあるご質問

胃腸が弱く、漢方の飲み合わせに不安があります。気にしなくて大丈夫でしょうか?

漢方薬は自然由来の成分を用いたもので、副作用が比較的少ないとされていますが、それでも個人の体質や健康状態によっては不快な反応を示すことがあります。漢方は個々の体質に合わせて選定されることが多く、胃腸が弱いという特性に配慮した処方を選択することが重要です。まずはお気軽にご相談ください。

胃腸の不調でお悩みの方へ

漢方相談では、カウンセリングを通してお客様一人ひとりの胃腸に現れている症状や体質を確認しながら、それに合う漢方のご提案や、体質の根本的な改善のための生活アドバイスを行っています。胃腸の不調を整えるために、漢方相談をぜひご活用ください。

今回の記事では以下の内容をお伝えしました。

・胃腸は消化管の一部で飲食物の消化と栄養吸収を担い、ストレスや飲食の偏りで不調が生じることがあります。
・胃腸の不調の原因は飲食物の影響が大きく、飲みすぎ、食べすぎ、冷たいものの摂り過ぎ、ストレス、過労、虚弱体質があります。
・暴飲暴食は胃腸にとって大きな負担であり、消化不良や胃の張り、痛みの原因になります。
・ストレスは胃液の分泌異常や自律神経のバランス乱れを招き、胃痛や胸やけ、便秘や下痢を引き起こすことがあります。
・冷たいものを多く摂取すると胃腸の動きが鈍り、痛みや下痢、むくみなどの症状が生じることがあります。
・疲労や虚弱体質も胃腸の機能低下を引き起こし、症状として食欲不振や消化不良があらわれます。
・漢方では胃腸の不調を全身のバランスが崩れたサインと捉え、適切な漢方薬を選定し生活習慣の見直しを通じて改善を目指します。

監修者メッセージ

齋藤 友香理(Saito Yukari) 薬剤師・漢方スクール講師
齋藤 友香理(Saito Yukari)

体質改善プログラムは、漢方の考え方に基づいてあなたの不調から、その特徴や傾向を知るものです。不調が続くようであれば、個別に漢方相談をしてもらうことをおすすめします。多くの不調は間違った身体の使い方や生活習慣からきているので、漢方薬を飲みながら生活指導も受けられます。

監修者プロフィールはこちら

運営者情報

薬日本堂株式会社(くすりにほんどう)

1969年創業の漢方専門店。一人ひとりの体質や悩みに合わせて健康・美容をトータルにアドバイスする「ニホンドウ漢方ブティック」「カガエ カンポウ ブティック」「薬日本堂」を全国に展開。その他、ニホンドウ漢方ミュージアム(東京・青山)、薬日本堂漢方スクール、出版・監修、他業種とのコラボレーションなど、漢方・養生を軸とした幅広い事業展開を行っています。 (事業内容はこちら)

もっと漢方について知りたい方へ

漢方とは?

病気でお悩みの方へ、ひとりで悩まずご相談をされてみませんか?薬日本堂の漢方相談は病気、症状や悩みを細かく1時間前後お伺いしております。

漢方で胃腸の調子を整えよう。症状別におすすめの漢方も紹介ページ TOPへ